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| ○ 店内の“気”を上げる。 |
“気”というと、どんなイメージを思い浮かべるでしょうか。 気功のように、相手を触れずにふっ飛ばすような神秘の力を思い浮かべるでしょうか。 私がここで挙げる“気”とは、活気の“気”、元気の“気”、雰囲気の“気”、です。 飲食店にはこの3つの“気”が極めて重要だと思うからです。 特に一見客の場合、入った時の印象で店の評価の大半が定まってしまいます。 その後、いかにいい料理、いいサービスを提供しても、最初の印象が悪ければ、悪い印象が出発点になるため、"それなり"の評価しかいただけません。 最初の印象を大きく左右するもの、これが"気"だと私は考えます。 内装はきれいでも、どこか寒々とした印象があったり、逆に、お世辞にもきれいとはいえないような店でも居心地が良かったり。 誰でもそういう経験は一度ならず持っているかと思いますが、私は“気”の問題と考えています。 “気”の良し悪しで客足が左右されると思っています。 では、いかにして“気”を上げるか。 活気と元気は良好なコミュニケーションから生まれます。 スタッフ間、スタッフと客、客同士。 良好なコミュニケーションがあれば、自然に活気と元気は涌き出てきます。 ノーゲストのときでも、スタッフ間での適当なコミュニケーションがある環境を作り出していれば、活気のある店内になると、私は考えています。 ノーゲストの状態から店舗の営業が始まることを考えれば、スタッフと客、客同士のコミュニケーションは、段階としては二次的なものになります。 スタッフ間のコミュニケーションが一次的なものだと考えているので、私はまず第一にスタッフ間の良好なコミュニケーションが維持できることが、店内に活気と元気をもたらす第一条件だと考えています。 もちろん、コミュニケーションが単なる雑談になっては、客の印象を悪くし、店内の雰囲気を下げるのは当たり前のことです。 また、馴れ合いになっては、組織としては失格です。 従って、コミュニケーションの内容が問題となりますが、営業に入った店舗には、やるべきこと、しなければならないことは多々あります。 こういったことでコミュニケーションを取るのは問題ないと考えていますし、自分が客の立場になったときもそういった会話は、ネガティブなものを除いて、気にはなりませんでした。 私がマネージャーをやっているときは、開店前に各店舗を回り、店長をはじめとするスタッフと言葉をかわすことを常にしていました。 意見を戦わせることも多々ありはしましたが、最後は笑顔になって別れるようにすることを心がけていました。 誰だって、不機嫌な顔をしたスタッフのいる店には入りたくないものですし、なによりもスタッフが不機嫌になることにより、店内の“気”が下がることを恐れていたからです。 スタッフとのコミュニケーションを心がけ、彼らの意見・不満・要望を聞くようになると、店内の活気が目に見えて変わってきました。 これまでも声出し、接客はしっかりやっていた彼らですが、やはり不満を内に抱えていると、それが店内の雰囲気に影響するのか、声は飛び交っていても、何となく暗さと空虚さを感じていたのが、何となく活気を感じる空間に変わってきました。 “何となく”という言葉が連続してしまいましたが、“気”というものは定量化できるものでないため、感覚でしか言い表せません。 しかし、客商売にはこの“何となく”の領域が重要であり、“何となく”いいという評価を得られるか否かが大きなポイントだと考え、実践してきました。 調理技術やサービスは定型化したものがあり、それに習熟すれば一定レベルでの提供は可能です。 しかし、定型化・定量化できない領域も、来店客の評価に一定のウェイトを占めると私は考え、実践し、実績を上げてきました。 店内に活気が満ちるようになると、何となく雰囲気が良くなり、客の落ち着きが良くなったように感じました。 もともと焼き鳥店としては高かった女性客の比率も高くなり、女性客が客席の半数を占めるときもありました。 これほど女性客比率が高い焼き鳥店というのはなかなかないと思われますが、どうでしょうか。 女性のほうが“気”に敏感だということなのかと、今となっては思うことがあります。 活気と元気が良くなれば、それだけでも雰囲気は自然に良くなりますが、もうひとつ、雰囲気を図るときに私が重視したのは、客の立場に立ったと想定して店内の各所に立ってみることです。 入り口の中と外、つまり、ドアの表裏の空間は最重視しました。 入り口の外は一見客が入ってくれるかどうかを左右し、中は店の第一印象を決めるからです。 入り口の外に立ったとき、重要視したのはたたずまいがいいかどうかです。 自分が客の立場に立ったと想定し、足を向ける気になりやすいかどうか、“何となく”気に触るものがないかどうかをチェックしました。 例えば、 ・POP展示用に、イーゼルをどの店舗でも使用していたので、イーゼルの置き位置が何となく邪魔にならないかどうか。 ・ゴミ箱など、嫌悪感を誘い、心理障壁となるものが視野に入らないかどうか。 ・全体的に入り口を俯瞰してすっきりとしているかどうか。 といったことを、気を付けて見ていました。 入り口から一歩中に入ったときは、ざっと俯瞰して、気に触るものがないかどうかを見ました。 客が入り口に立つのは一瞬です。 けれど、その一瞬に入る情報が好悪の判断に大きな影響を及ぼすので、なかなかに軽視できません。 何かが足りないと思い、物を置いたときもあり、置いてあるものの位置を移動したこともありました。 それだけのことで、雰囲気はかなり変わったように思います。 トイレや通路など、客がよく利用するところも、実際にいろいろな位置に立って見ることをよくやりました。 なかなかうまくいかないときなど、"気"を見ることをやっておりました。 私はマネージャーの立場だったので、店舗営業には関わらないのを利用して、営業中の店舗に客としてよく行きました。 ほとんど一人で来店し(相手がいなかったというのもありますけど・・・)、店内を観察し、“気”を量ったり、来店客の様子を眺めたりしておりました。 全て自腹だったので、月に5万円以上は売上に貢献していたと思います。 店のスタッフは気を使ってくれて、一杯目のビールはほとんどサービスでしたけれど。(笑) ある店舗では、客席から良く視線を向ける部分が暗く感じるのに気付き、翌日スポットライトを設置したということもありました。 営業中の店内で、実際に飲み食いして客の視点に立ってみてみると、スタッフの視点とはまた違った視点から店を見ることができるので、特にマネージメント職の人間は実践するべきであると思います。 マネージメントトップページ 飲食ビジネスノウハウ集 |
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