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| ○ 徹底した対話がポテンシャルを生む。 |
私がマネージャーに就任した当初、スタッフの士気は最低だったことは、すでに申し上げた通りです。 その状態のまま手を打ったとしても、醒めてしまっていた彼らは、容易には盛り上がらなかったかもしれません。 そこで私は、まずはスタッフと対話をし、問題点の把握と人間関係を作ることにこれ努めました。 営業時間終了後の店内が、ざっくばらんな話をするのには一番いいと感じた私は、1ヶ月ほどの間、市場調査のために他の焼き鳥店を食べ歩いた後、閉店直前に店に行き、そのまま居残ってスタッフと会話をし、カラオケなどに連れ出して彼らの本音を聞き出すことを日課のように繰り返しました。 かかる費用は全て自腹だったので、相当額の貯金が吹き飛びましたが、それをやったお陰で店の問題点を把握することができました。 スタッフの声を聞くということは同時に、彼らの不満を聞くことであり、要望を聞くことであり、時には剥き出しのエゴに直面するということでもあります。 噛み付くような勢いで不満や要望、エゴをぶちまけられたとき、どんな対応を取るものでしょうか。 私の前にもこの職に任じられていた者がいましたが、前任者はそんなとき、その場凌ぎに終始したり、あるいは彼らに迎合して会社の不満をぶち上げたと思うと、その舌の根も乾かないうちに経営者に擦り寄る姿を見せたり、あるいは頃合を見計らってその場から逃げ出したりという体たらくで、スタッフの信頼を失っていったようでした。 私はこんな時、自分の思うところをぶつけ、あるいは会社の全体像や、自分の意図する未来像を描いて見せた上で、現状について、出来る限りの説明をするようにしました。 無論、相手が納得しない場合も多々あり、そんな時は激論になりました。 そうなっても私は逃げずに対応しました。 こんなときに逃げたら、マネージャー失格です。 閉店後の店内で、明け方近くまで激論を戦わせ、なんとか相手に納得してもらって帰宅すると、2時間も寝ないうちに再び出社、といったことも何度となくありました。 噛み付いてくる人間というのは、自分を認めてもらいたいというのが根底にあることが多いように思います。 自分はこれだけ頑張っているのに、なぜ、上の人間に認めてもらえないのか、自分はもっと出来るのに、なぜ今このような仕事をやらされているのか。 そのような思いを抱え、はけ口が見つからずに悶々としている人間が多いように感じました。 そんな彼らに対し、真摯に対応することで、以前と変わらない仕事をやっても、不満の度合いが少なくなっているように感じました。 私のほうも話を聞き、必要なときにはいくつか手を打ったりしました。 こうした対話を繰り返したお陰でスタッフは、私が話を聞いてくれる人間、信頼の置ける人間であるとみなしてくれたように感じます。 後に問題が起こったときなど、議論は激しくなっても最後には、「この人がいうなら仕方がない」というのが彼らから口癖のように聞かれ、納得してくれるのが常になりましたので、彼らにそう言わせるだけの人間関係ができていたのだと、気を良くしたものです。 また不思議なもので、噛み付いてき人間ほどこちらのいうことをよく聞いてくれる傾向にありました。 私が辞める時、それを一番惜しんでくれたのが彼らであったというのは、私にとっては誇らしい出来事でした。 対話を繰り返し、組織に渦巻く不満やストレスを少しでも解消していったお陰で、私の行った施策がより受け入れやすくなったと思います。 彼らにとっては不満なことも多々あったとは思いますが、不承不承ながらでも受け入れてくれる素地が出来ていたため、やはり「この人がいうのだから仕方がない」という言葉とともにやってくれていました。 問題は解決できなくても、うまくいかなくても、苦しいときでも、マネージメントする立場に立つものは、下の立場に立つものとの対話を欠かしてはいけないと思います。 マネージメントトップページ 飲食ビジネスノウハウ集 |
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