MANAGEMENT
HOMEMANAGEMENT>ボトムアップを重視。
○ ボトムアップを重視。

私がマネージャーの職にある時、特に重視したのがボトムアップでした。 

不満の種と成功の鍵は常に現場にあると考えて、店長はもちろんのこと、一般社員やアルバイト、パートと会話し、現状把握に努めるとともに、よく意見を聞きました。 
新メニューやPOPなど、スタッフとの会話の中から必要性を感じ、実行に移したものが多くあります。 

現場の人間が必要性を感じていることを行うのが最上であるし、実行もしやすいのは自明です。 
従って、私がマネジメント職にある時は、現場の人間からのボトムアップを重視しました。 
この店の場合、ワンマン社長の元、トップダウンが強すぎてまったくといっていいほどボトムアップがなかった状態だったため、ことさらボトムアップを重視した面もあります。


ボトムアップとトップダウン、対立するように聞こえますが、私は相互補完するものだと思います。 

組織において、トップダウンとボトムアップはどのように運用されるのがよいか。 
私は戦略と戦術の問題に置き換えて考えるとわかりやすいと思います。 
トップダウンされるべきは戦略的な要素であり、ボトムアップされるものは戦術的要素であると考えます。

飲食店における戦略・戦術を具体的に考えてみると、例えば、何年までに何店舗にする、今年度の売上目標をいくらにする、どのような店にする、店のカラーを決める、というのは戦略的要素です。 
メニューを考える、売上促進策を考える、勤怠管理、などは戦術的要素になります。 
つまり、大きな方向性を定め、それに向かって推し進めていくのが戦略であり、トップダウンされるべきもの。 
その戦略の元、具体的にどうするかというのが戦術であり、ボトムアップされるべきものであると考えます。 
従って、戦略と戦術が相互補完的であるように、トップダウンとボトムアップも本来、相互補完的であるはずと考えます。 
もちろん、厳密な区分はできるものではありません。 
ただ、戦術的要素にトップが細かく介入するべきものではないし、逆に、戦略にスタッフが細かな口出しをするものではないと思います。 

そのようなことが頻繁に行われる組織はポテンシャルを急速に失います。 
大企業ならば持ちこたえられても、(数店舗の規模があったとしても)小さな飲食店ではつぶれるのがオチです。



では、どのような組織がよいのか。 

私は、武田信玄のやり方を本で読み、それがよいと思いました。 
武田信玄は評定(軍事会議)を開くと、家臣たちに自由に意見を述べさせます。
評定の場にある家臣ならば、身分の上下に関係なく、です。 
ひとしきり意見が出尽くした後、信玄が方針を決定すると、以後はその方針には絶対服従となります。 

武田信玄は、今から400年以上前の人間ではありますが、ボトムアップを活用し、トップダウンによって命令を浸透させた、組織というものを実によく理解している人間だと思いました。 
小さな山国である甲斐から大国信濃を併呑したのも、さぞあれかしと思われました。 

つまり、下からの意見の吸い上げを積極的に行い、十分な情報を得た上でトップが判断を下し、その判断が異なる意見を具申した部下にも受け入れられて、下まで浸透する、そのような組織が理想だと思うのです。


その当時の私のポジションはマネージャーでした。 
中間管理職に相当するこの立場は、トップダウンされる方針の伝達とボトムアップされる意見の吸い上げ、という二つの役割が求められます。 
この組織の場合、トップダウンは過剰、ボトムアップはほとんどなし、の状態だったためにボトムアップを重視したという面があります。 
そして、戦術の段階で決めるべき、新メニューやPOPなどの販促策は現場指揮官たる私の権限内であるので、私がある程度自由にやりました。 
そして、何をやるかということを考える際、その判断材料としてボトムアップされる意見を広く求め、それを元にやるべき施策を決めていきました。 
何をやるにしても空回りしては意味がないし、現場の求めること、これは潜在化しているものも、顕在化しているものもありますが、これをやらなければ意味がありません。 
また、意見の吸い上げを積極的にやらない組織は不満が潜在化してしまいます。 
潜在化すると、命令の不徹底、怠業の発生、モティベーションの低下など、様々な弊害が発生します。 
このような危険を避けるためにも意見を広く求める姿勢は必要でした。


これらの理由から、当時の組織では、私はボトムアップを重視しました。 
しかしながら、私の理想とするところはボトムアップとトップダウンがうまく噛み合って組織を活性化していくというものです。 
その当時の店舗が、ボトムアップが強すぎたとしたら、私はトップダウンを強化したでしょうし、バランスしていれば、特にいじらなかったと思います。



組織では、トップダウンが強いことが大半であるので、組織の活性化を図るならば、まずはボトムアップの強化が必要になることが多いのではないかと考えています。



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