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| ○ 売上目標カレンダーの活用。 |
売上増に大きく役立ち、スタッフが自発的に頑張るようになった原動力のひとつが、この売上目標カレンダーでした。 作るのは簡単でした。 月曜日を頭にした月間カレンダーを作り、日付の枠の上半分に目標金額を万単位で書き、下半分に実績を書きこむ空欄を作っただけのものです。 店舗のスタッフは、月間の売上は意識していましたが、日単位の売上は、報奨金の出る15万、20万を意識するだけで、日の売上を積み上げるという意識に乏しいように思われ、それを改善し、明確な月間目標をわかりやすく提示しようと考えたものです。 この売上目標カレンダー、最初は大きな抵抗がありました。 ワンマン社長の抑え付けから解放されたばかりだった彼らには、いかにも管理主義的に見える売上目標カレンダーは容認しがたいものように見えたようです。 私がいかに、社長の意図とは関係なく私の意図で決め、クリアできなくてもペナルティはない、と説明しても彼らの抵抗は変わりませんでした。 こんなもので自分たちを管理しようとするのか、と詰め寄ってくるスタッフもいました。 致し方なく職権を発動し、カレンダーの設置と運用を強制しましたが、当初は厨房に貼ってあるだけでした。 書き込みは一切やってくれません。 仕方なく、私が全て実績の書き込みをやりました。 しばらくすると、一つの店舗で自発的に書き込みをやってくれるようになり、それから他の店舗でも書き込みが始まって、少し受け入れられたのかなという思いを持ちました。 導入した最初の月は、受け入れられやすいように、私の見込みよりも目標をやや低めに設定したために、2店舗で悠々クリアしました。 それでも前年比+100万でしたが。 スタッフからはこれぐらいなら楽勝だ、などという声が聞こえました。 まあ、そうでしょう、そのように設定したのですから。 これで抵抗感が和らいでくれればこっちのものです。 売上の苦戦していた1店舗では目標をやや下回る結果に終わりました。 こちらは前年とほぼ同じ程度の売上です。 こちらは相変わらず反発がありましたが、他の店舗では受け入れられつつあったのを実感していた私は気にしませんでした。 翌月以降は、私の予想する売上高に近い数字を目標金額にするように設定しました。 売上の好調な2店舗では、ブーイングをしながらも、だんだんとゲーム感覚で楽しむ機運が出ているようでした。 ある日、いつものように厨房に入ると、売上目標カレンダーに書き込みがあるのに気付きました。 実績の下に、目標とのプラスマイナスの累計を書きこんでいたのです。 これを見たとき、売上目標カレンダーが彼らに受け入れられたことを感じました。 累計のプラスマイナスの書き込みは他の店舗にも広まり、売上目標カレンダー自体に不満をいうスタッフはいなくなりました。 月を重ねるにつれ、売上目標カレンダーに対する要求も変化してきました。 当初は目標金額が高過ぎるという不満が多かったのが、今度は逆に低すぎるという不満が出てきたのです。 自分たちの実力をこの程度にしか見ていないのか、などと言われ、目標金額の設定し直しを要求されたときは、私は笑いをかみ殺しながら応じたものです。 さらに、日単位の設定金額についても、細かく要求されるようになってきました。 この日はこれだけ見込めない、この日はもっと出来る、という要求が出て、私はそのたび、喜んで直しました。 彼らが自主的に目標を設定し、その目標をクリアしようとする意思を持ちつつあったことは、私にとっては理想的なことでした。 このようにして売上目標カレンダーは浸透し、明確な目標が出来たことは、スタッフのモティベーションに大きなプラスをもたらしました。 目標金額と実績との差異が明確にわかり、売上をどれだけ積み上げていけば目標をクリアできるかが明確にわかることで、彼らのやる気はグンと上がりました。 そして、前年比プラス100万前後の売上を続けていた2店舗を追うように、売上の伸び悩んでいた1店舗でも売上が伸びるようになってきました。 諸々の施策の効果もあって、この店でも前年比プラス数十万の売上高をコンスタントに記録するようになってきました。 また、売上目標カレンダーは売上目標を提供するだけだと思ってましたが、実際に使い出してみると、現場のスタッフにとっては、もう一つ価値があることがわかりました。 自分たちの努力の軌跡がそこに現れるということです。 彼らは目標との差異に一喜一憂しながら、この日はこれだけ頑張った、この日はあまりよくなかった、などと仲間内で批評するようになっていました。 ある月、1つの店舗で目標金額を50万ほど上回る実績を上げた店舗がありました。 店のスタッフは喜びのコメントを書き込んだそのカレンダーを誇らしげに私に見せてくれました。 そのときの感激は今も忘れられません。 私のほうも売上目標カレンダーを少しひねって活用しました。 毎月の営業会議に、前月の営業実績をカレンダー形式にして提供したのです。 売上目標カレンダーならぬ、売上実績カレンダーです。 これまでは前月実績を見て、前年度に対してプラスかマイナスかを見ていただけでした。 それに加え、日ごとの実績をカレンダー形式で一目瞭然となるような形で提供したのです。 大きな売上を上げた日、逆に売上が著しく少なかった日や、週や曜日ごとの傾向が一目で読み取れるようになりました。 会議の席上ではこれらについて店長に質問し、理由を聞くようにしました。 実績が悪い場合、それをよくわかっているのは店舗を預かる店長です。 それを会議の場であげつらっても反発を買うばかりで益はないと考えて糾弾は控え、起こったことに対して理由を聞き、問題がある場合はどのようにしていくか、アドバイスをするか、打開策を考えるようにしていきました。 受動的に仕事をするよりも、能動的に仕事をしたほうが楽しいし、身が入るのは当たり前のことなので、質問をすることで、店長に考えさせるように仕向けたわけです。 店長からの相談事が増えていったことから、このような意図がある程度奏効したのではないかと考えています。 売上目標カレンダーは、店舗のスタッフに対して明確な目標を与えるのみならず、自発的に目標達成しようというモティベーションを与えることのできた、有効なツールでありました。 マネージメントトップページ 飲食ビジネスノウハウ集 |
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