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落合 信彦

落合信彦の著書のレビューページ。
早くからアメリカに渡り、オイルマンとして成功を収めた後にジャーナリストに転進した著者の国際政治に対する洞察力と広いネットワーク、
情報収集力に裏打ちされた重厚な小説群は、管理教育に慣れた日本人には、いい刺激になります。


千秋の賛歌


千秋の賛歌
落合信彦の冒険小説に共通するパターンを踏襲した作品。
主人公はイスラエルの特殊部隊、ゴラニ部隊のエースで日本とイスラエルの混血の男、佐川丈二。
彼がイスラエルの情報機関、モサドの長官から特命を受け、アメリカが超極秘に開発中の超兵器のキーパーソンである研究者を拉致し、その概要をつかんだ後に殺害しろというミッションを遂行する。
部下はすべてフリーランスの傭兵。
首尾よく研究者を拉致した佐川はワシントンのセーフハウスに研究者を連れ込み、尋問を開始する。
その過程で研究者が自分の弟であることを知った佐川は、当初の命令を無視し、独自の行動を開始する。
モサド長官には思惑があり、佐川もエリミネート(除去)される手筈だった。
罠を噛み破り、決着をつけに死地へと向かう佐川・・・。

落合作品に共通する大掛かりな舞台装置。
荒唐無稽なようで、現実と微妙にリンクするプロット。
男たちの友情。
そして日本に対する幻滅と叱咤。
最近の落合作品は少々ワンパターン化しているような気もするけど、エンタメとして一気に読ませる面白さは保持してる。
日本の官僚はバカにされても仕方がないけど、アメリカも負けず劣らずということも、小説の中でチクリとやってるのが面白いかな。
モサドのレベルが下がってるという話を小説の中でしてるけど、確かにヒズボラ戦争の体たらくを見れば納得のいくところ。
アラブに対するヒューミントの強さのひとつがスファラディ系のイスラエル人にあったんだけど、新たな世代が育ってないということかもしれない。
そこまで読める人はそんなにいないにしても、イスラエルの今後を暗示するようなエピソードが出ているのは少々怖いような気もする。
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