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魔女シリーズ(魔女の笑窪・魔女の盟約)
 

東京で裏のコンサルタントを営む女、水原。
時には対象と寝ることで、精度の高いコンサルティングを行う彼女の評価は高く、その世界で名声を博している。
しかし、彼女には人にいえない過去があった。
売春を行う島・地獄島に売られ、10年以上客を取らされる生活を強いられた末、過去に数人しか成し遂げたことのない「島抜け」をしたという過去。
「島抜け」を行った女には例外なく番人が迫り、連れ戻された女は年齢に関係なく、死ぬまで地獄島で働かされ続ける。
裏社会の儀式に欠かせない神社を持つその島は、魅力的な利権を持っているにもかかわらず、どの暴力組織からもアンタッチャブルな存在だった。
ひょんなことからその過去を知られることになった水原。
迫り来る「地獄島の番人」。
彼女が島にいるときも存在し、老齢となっていた番人を倒し、次に派遣された番人、彼女の島抜けを助けた男をも倒し、島の衰退を知った彼女は、自分の過去と決着をつけるために島に向かう・・・。

この作品は、ある島の存在を知っているかどうかでリアリティを持つかどうかに大きな差が出ると思う。(参考
似たようなのが、この小説の地獄島のロケーションとなっている南九州にもあるらしいが、チェックアップできなかった。
リンクに付けた島も、今は外人系のネーチャンが多いらしいから、そんなのも知ってると、この作品にリアリティが出る。
女性のアクションヒーローというのはなかなか成立しにくいが、女の武器を武器にしながらクールに振舞う女という設定で成立を図っているのが新味といえるか。
連作の形を取りながら、次第にクライマックスに向かっていくので、ハマる人はすごくハマる小説。
主人公の視点から見た一人称小説というのも、ハマる人の感情移入を容易にしているところ。

程なく発表された続編、「魔女の標的」は、前作の直後から話が始まる。
地獄島を破壊した彼女が韓国に逃れるも、そこで彼女の庇護者を殺戮され、謎の女性に助けられて中国へと渡る。
夫と子供を殺された元警察官の彼女に協力し、韓国での殺戮者を追う水原。
殺戮者を追う中で、地獄島を破壊したとされている自分が嵌められたことを知る。
嵌められた相手を追い、殺戮者を追う彼女。
最後に追い詰めた対決の場で、彼女は真相を知る・・・。

前作の続編として連続性を持ちながらも、前半で外国を舞台とすることで新鮮味を持たせ、そして二重の復讐譚という設定で重層性を持たせているので、前作同様、エンターテイメント性にすぐれた小説となっている。
コチラは長編小説の体裁をとっているのは、前作とは異なるところ。
徒手空拳、そして逃亡者の身分から這い上がり、さまざまな助力を受けながら巨大暴力組織に守られた男たちに立ち向かうという設定は、アクション小説ファンにはハマらずにはいられないような設定だと思う。
タフガイという、アクション小説の主人公のステロタイプから、この小説の主人公の人物造形は外れているだけに、好き嫌いは出るかもしれないけど。

(20.04.25)
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