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| 階段を上る足音。 |
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ある雨の日。 私は家に一人でいました。 昼寝から半分覚め、まどろんでいたような状態のとき。 階段を上る足音が。 「ミシッ。ミシッ。」 誰もいるはずのない家で・・・。 私は恐怖に固まりました。 階段を上る足音が止むと、今度は激しく扉が叩かれました。 「ドン、ドン。」 誰何するような、それにしては強い叩き方。 このとき、私の脳裏には、「声を出してはいけない」というイメージが湧いていました。 恐怖に震えながらも黙り続ける私。 応答がないと見ると、扉の外の存在は、階段を下っていきました。 「ミシッ。ミシッ。」 同じように音を立てながら。 その間ずっと震えていた私は、その後も長い間動けずにいて、もう大丈夫と思われた頃合になってやっと動けるようになりました。 それでも、扉を開けるのは相当の勇気を必要としました。 このことを帰宅した母に話しましたが、母は、家によく出入りしていた祖母が来ていたのではないかと言い、取り合いませんでした。 けれど、祖母ならば何か声をかけてもおかしくはありません。 なぜか祖母にも確認せず、うやむやのまま終わってしまいました。 否定されるのが怖かったというのもありました。 あの時、階段を上り、扉を叩いたのは誰だったのか、今もわからないままです。 ひょっとしたら本当に祖母だったのかもしれないし、心霊現象だったのかもしれないし。 いろいろとあった家ですから。 後に、家のリフォームのために畳をめくると、敷板一面に紫の文字が書かれていました。 どうやら凡字で書かれた経文?だったようです。 家の持ち主の祖母は当然するはずもなく、どうやら以前に住んでいた人がやったのではないかということになりました。 紫の文字を使えるのは、相当に位の高い僧侶だということなので、そのようなことを行ったということから考えると、やはり、この家には昔から何かあったのかもしれません。 (20.05.29) |
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