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金縛り

暗黒の中学時代を経て、私は、無事に高校に進むことができました。

田舎のことでもあり、中学時代を通じてまったく勉強をしませんでしたが、それでも労せずしてその学区内で一番の進学校に進学することができました。
高校では、さすがにある程度以上のレベルで輪切りされていることもあり、人かサルかわからないような程度の低い輩は少なく、なぜか女生徒にもチヤホヤされ、まずは順調な滑り出しを切ることができました。

当初から大学進学を考えていた私は、入って早々、進学先を地元の国立大学ではなく、生まれ育った中部地方の大学に定めました。 
地元の国立大学ならば、恐らく高校時代も遊んでいられたと思います。 
しかし、この土地が嫌で、大学進学と同時に県外脱出をもくろんでいた私は、その高校からの大学進学者数を調べて愕然としました。 
地元の国立大学への進学が中心なのは仕方ないとして、東大への進学者は、現役、浪人合わせても年に一人いるかいないかです。
大学進学者は年に100人ほど、有名大学への進学者は2ケタをやっと超える程度。 
まともに授業に付き合っていたのでは、いい大学にはいけないということです。 
私は、中学校時代遊んでいた分を取り返すこともあり、独自に受験勉強を始めました。 
といっても一年生で毎日1教科1時間、二年生で毎日3教科3時間、三年生で全教科6時間という風に、計画的に勉強をしていったため、受験勉強がそれほど苦にはなりませんでした。

その後、体を鍛え、よしんば格闘技をやりたいという思いがあった私は、別項にも書きましたが、なんとしたことか柔道部に入り、思いがけず、文武両道の高校生活を送ることになりました。
チャンガラ柔道部とはいえ、柔道の練習はある程度やります。 
家に帰って、日課の勉強をやると、くたびれ果てて寝てしまう毎日でした。

ある夜。 
いつものように寝入ると、いくらも寝ないうちに体が固まったような感覚で意識が戻ります。 
体を動かそうとしても麻痺したようにまったく動きません。 
まぶたも開かず、あるいは開いたのかもしれませんが、恐怖で開ける勇気もなく、何とか指先一本でも動かそうとしますが、ビリ動きもしません。 
それでも必死の努力で小指一本だけでもという思いで努力を続けると、動いたかと思うと同時に、一気に体の自由が回復しました。 
金縛りの初体験でした。
当時は、練習の疲れもあって、巷間流布されている、「疲れから一時的に体が動かなくなって金縛りにかかる説」を信じており、練習疲れのせいにしておりました。
 
しかし、そのせいにしては頻繁に起こります。 
大体、3日に1回は体験し、一度、やっとのことで金縛りを解いても寝入ったのもつかの間、再び金縛りに遭い、また、やっとの思いで外すということもありました。 
金縛りの連続攻撃です。(~_~;)

さすがに、霊的なものではないかとの疑いを感じて、母親に相談すると、そういうときは天照大神の御名を唱えろといいます。 
そのとおりにしてみますが、正直、あまり効果はなく、いつも力技で小指をどうにか動かして解いていました。

金縛りは高校卒業まで続きましたが、大学入学と同時に家を出ると、金縛りに遭うことがなくなりました。
恐らくは家付きの低級霊の干渉だったのでしょうが、その当時の私は対抗手段を講じることはできませんでした。



(17.12.08)
(最終更新 19.08.30)


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